工場と仕事

人手不足とAIの登場で期間工の仕事はどうなるの?と不安になる方へ

期間工でも人手不足の波が到来しています。若者ばかりを採用していては、とてもラインを維持できなくなっているのがここ最近の期間工事情です。

昨今の人手不足の背景

なぜ人が集まらないのか、この点について先に知っておきましょう。
内閣府発表の人手不足調査

この表は人手不足感の高まりについて、内閣府が発表している統計の一つです。見ての通り、ほとんどの業界で人手不足が深刻化しつつあります。この背景の一つには下記に見るような労働人口の減少、という理由があります。
生産労働者数

これから先、景気の良し悪しによって多少の変動はあると思われますが、それでも慢性的な人手不足の問題は解消されることはないでしょう。

また、政府による賃上げの推進によって、自動車業界以外でも高水準の賃金を提示する会社が増えてきました。時給だけでいえば自動車メーカーの時給を上回る1300円、1400円の期間従業員案件も多くなっています。こうした理由も期間工の人手不足の要因の1つです。

でも、だからAIが仕事を奪うのではないかと、心配になる人はいます。今回はそのお話です。

AIの登場で人はいらなくなる?

工場の仕事にAIを投入する動きは非常に加速していますが、実際のところまだAIは発展段階で、さらに工場の生産を安定的に進めようとすると、多額の投資が必要になります。うまくいくのかどうかも分かりません。

そもそも、工場を全自動化させよう、という動きは1980年代から叫ばれていますが、実際のところ、自動化したら別の部分で人手が必要になった、という状態です。それが今の工場です。

AIが出てくるから仕事が奪われるのではなくて、AIによって自動化される前後の工程で「新たな人手が必要になる」という考え方もあるわけです。

もしAIが検査できるようになったら?

例えば、AIが人間が行なっていた検査を担当するとしますね。そうすると、人間では気付けなかったような誤差もAIでは見つけ出します。そうすると修正部門がより多く必要になるわけです。また、AIでは人間よりも短時間でその作業は終えることになりますが、実際ではラインはどうなるでしょう。歩留まり(保留・在庫)が増えますよね。ラインオフされるペースが一定で、それによってタクトタイムが決まっているのだから。

だから、よほど在庫不足だったり人間の作業が遅いために最終工程の生産数に変化が出ているような、致命的な問題箇所出ない限り、今まで通り人の手でやっているほうが色々都合が良い、という場所も少なくないわけです。

もちろん検査であったり、生産物の大事な機能に関わる部分ではAIが活躍することになるでしょうが、だからといって大量に人手が不要になるということは、今の時点では考えづらいところです。

最終的には必要な人が増える

テスラ・モーターズのように、自動車産業がやろうと思えば全自動化は可能でしょうが、それでもやはり人の感覚というのは優れた面が多いわけで、その面を安定して超えてくれるAIの開発にはまだ少し時間がかかるでしょう。

どちらかといえば、人員教育の面でAIが活躍するほうが先に来るかもしれません。

全自動化されたら人がいらなくなる、というのは少し間違いで、その分どうしても機械保全の人手が増えたり、要所要所で人の目が必要になるケースが出てくるでしょう。単純作業や危ない作業、過酷な労働環境の作業から順次自動化は進んでいくことになりますが、それに伴って新たな人の手の重要な作業が出てくることになるので、急激に人手が削減されることはないでしょう。

またこれから先自動車業界は転換期を迎えてきます。自動運転になれば現在の車の多くは買い換えなければならなくなりますから、少なくともこの先10年くらいは期間工の出番はなくなることは無さそうです。

急激な不景気になれば派遣切りなどもあるかもしれませんが、不景気での販売減少も一時的でしょうから、そこまで心配することもないのではないかと思われます。