期間工の中でも人気の高いフォークリフト採用ですが、正社員になりたいと考えているならばフォークリフト採用は出来る限り避けたほうが良いと言えます。
こちらの記事の内容
フォークリフト採用は多能工化が難しい
フォークリフト採用をされると、基本的にフォークリフトを毎日運転することになります。この場合、資格を持っている人以外その操作ができないので、リフト採用者は固定されてしまうことが良くあります。
職場が社員として求める人材像としては、どうしても多能工である事、という条件がありますから、フォークリフトだけを専門とする人材はそれだけで社員への入り口が狭まる可能性があるわけです。
珍しい資格であれば良いのですが、講習さえ受ければ誰でも持つ事ができるので、その資格=有利とはなりません。
資格を所有している事は伝えておく方が良い
とはいえ、配属された段階でフォークリフトの資格を保有している事は伝えたほうが良いですから、免許証を持って職場の上司に最初に教えておく事は必ずやるべきです。
持っている事を伝えた上で、社員になるために現場の事を深く知りたいと思ったと伝えれば、印象がぐんと良くなります。万一の際に工程で頼りになる資格所持者になる可能性もあります。
フォークリフトの現場の改善は難しい
例えば創意くふうや改善提案を出さなければならない状況において、フォークリフトの現場は改善レベルが極めて高いと言えます。
なぜならそもそも危険を排除してある事に加え、フォークリフトの事故は全社レベルですぐさま共有されるからです。
区画を決めるという事も現場主導でできない事も多くありますし、フォークリフトが動ける場所は範囲が決められているので、すでに最適化されてしまっている事が多いのです。
大きな改善がしづらい、という事は、面接のアピールポイントが作りづらいという事も言えます。
その点、ライン作業は前後の工程が改善されれば、それに伴って自工程も変わる事が珍しくなく、変化が激しい分、改善ポイントは次々に生まれます。
改善に対して積極的な人材だとアピールすることが出来るので、現場に配属されるほうが就職には非常に有利になります。
会社が欲しい人材像から逆算して考える
会社は採用したい人材像が決まっています。
ただフォークリフトが操作できる人材は欲しいと言われません。なぜならばそれは期間工で十分だからです。
会社が欲しい人材像は、積極的に改善をする人、リーダーシップのある人、最善の行動をとれる人、ポジティブな人、安全意識が高い人です。
こうした面を考えた時に、フォークリフトの配属というのは非常にデメリットが大きいと思いませんか?
フォークリフトの作業現場は誰かと密にコミュニケーションをすることもありません。上司の目も厳しくありませんし、大きな改善を求められる現場でもありません。ただ事故がなく、遅延なく物事が進めば良い現場だからです。
そうした現場で活躍することはベテランでも難しいのです。それよりも、ライン作業で活躍することのほうがハードルは断然下がります。
上司の目も厳しく、大きな改善を求められる現場でコミュニケーションも大事になる事、これはすなわちチャンスです。
そうした現場で活躍できる人材こそ求められる人材です。
期間工で2年11カ月を過ごすだけならフォークリフトがいい
以上の点から、社員登用試験を受けずにフル満了を狙う場合にはフォークリフトの職場を狙うのは有効です。
ただフォークリフトも炎天下の中で動かなければならなかったり、雨の日でも外で作業することも必要になるので、必ずしも楽だとは言えません。最後のトラックが遅れている場合などは一人だけ残業時間が長くなる事もあります。
ちょっとうっかりのミスが大惨事になる可能性も高く、完成品を扱う場合には責任が非常に求められます。
ヒヤリハットはかなり多い工程の一つなので、未経験でフォークリフトを操縦する場合にはこうしたデメリット面も知っておくほうが良いでしょう。
期間工になるためにフォークリフトの資格を得る必要はありません
期間工になるためにフォークリフトを取る必要は全くありません。
例えばトヨタは期間工を2年以上継続すると、資格取得補助としてフォークリフトの資格を無料で受ける事ができます。
また時期にもよりますが、フォークリフトの資格を持っていても、現場で作業した経験がなければ優遇されない事もあります。作業経験が豊富な人から割り当てられる傾向にあるので、未経験でフォークリフトの資格を取ってから期間工になるのはメリットがありません。
ただ、正社員登用を受ける場合、期間工のうちにこうしたフォークリフトの資格の補助は受けられないので、その場合は現場の必要に応じて正社員になったあとで会社から指示される事になります。
正社員を目指すなら、まずはラインで多能工化することを最優先として考えるほうがいいのです。